-- 創意工夫あれこれ -- | ||
簡易暗渠 (2003年秋) |
元々田んぼだったところへの植栽をするにあたって、根腐れ対策をしなければならなくなった。 沼地でも育つハンノキやメタセコイアのような木ではないので、何かしなければならない。 排水をとるのも難しかったので、深く溝を掘り、さらに水を貯めておく穴を掘り溝をつなげた。 穴の深さは1mくらいだろうか。溝と穴には栗石やバラスなどの砕石とエンビ官を埋めて、 穴まで水が通りやすくした。これだけのことだが、以前は雨が降ると水が溜まっていたところが 大雨が降っても水はけが良くなった。どこかに排水してるわけではないので、おそらく 掘った穴にたまっているだけなのだが、天気が回復すれば時間が経つにつれてそれも徐々に染み込んでいっているのだと思う。 シラカシとヤマボウシ他数種類を植えたがよく育っている。 | |
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松葉が変色 (2014年秋) |
管理していた赤松の葉が茶色に変色してきたという報告を受けた。
マツクイムシの予防で夏に2回ほど消毒を行っていたので、マツクイムシの
可能性は低いと思っていたが、パッと見た感じはそのようにも見えて正直驚いた。
緑の部分も残ってはいたが半分以上は茶色になっていた。
しかし小枝の切り口からはマツヤニの匂いはするし、葉が茶色なだけでその小枝は弾力が
あり、芽も生きていた。心当たりが有るとすれば、夏の消毒で、殺ダニ剤も一緒にやっていたのだが、
今回それを一緒に入れていなかったことだ。消毒慣れしている木はそういうことに敏感なのだろうか?と思ったが、もう遅い。
ハダニの可能性が高いと思い、専門家に聞いたり自分で調べたりした結果、その可能性が強そうだった。
これが春なら良かったが、しかし、季節は夏を過ぎていたのでこのまま冬を越すのは
難しいように思われた。 やはり何の手も打たず枯らせるわけにはいかなかったので、最後の可能性に賭けるつもりで、やはり専門家に相談したり、 自分で調べたりして次の手を打つことにした。葉が落ちてしまったため直射日光を避けるために、幹と太い枝に緑化テープを巻いた。 そして、「松にセンキュウ」という諺があるが、「川芎」という漢方薬を煎じて噴霧器で散布した。御呪いのような つもりではあったが、樹木医さんによると刺激を与えることで細胞が活性化する可能性もあるそうなので、それなりの 根拠もあるようだ。やるだけのことはやったので後は祈るだけである。 年が明けても、小枝はまだ弾力性を保っていた。春まで長く感じたが、希望は確信に変わっていった。新芽が出る季節、 緑が伸びてきて、やれやれ、ほっとした。ほとんどの大枝が枯れずに残ってくれた。 こんなことがあるのかとまた驚いた。 |
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高枝切り (2019年春) |
あまり高い木は得意ではないが、それでもしなければならない時がある。作業をしながら思ったことがある。
それを記す。 世の中のほとんど全てのことはプログラムである。つまりフローチャートが描けるはず(もちろん描けないものもあるが) 枝おろし編 >> ここで切るか切らないか、もし切ったらその衝撃は?分からないなら調べる。(今の時代有難いことにyoutubeという先生がいる) 動画で見ると大体の衝撃もわかる。この衝撃では危ないからもっと枝先に移動移動すべき。 >> そのためにはどんな方法があるか?どんな道具が必要か? 最後は自分で決断しなければならない。しかし描いた手順で行うとあら不思議!いつの間にか何事もなく終わっていた。 これぞ、フローチャートの威力である。 もちろんより危険な作業の場合、2の手3の手を細かく考えておかなければならない。 |
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ミカンの移植 (2020年春) |
木を移植するというのは実は長い時間軸で考えないといけない。 1〜2年前に植えた木であればすぐにでも移植は可能かもしれない。ところが年月が経ってしまうと、木の周りを掘ってみればわかるが 細い根が少ない或いは殆どない。水分や栄養を吸収するのは細い若い根であるためそれがないと育ってくれない。ではその細根はどこにあるのかというと、 出てきた太い根の先にある。植わっている年月が長ければ長いほどその距離は長くなるはずである。そうなると移植するためにはその太い根を切らなくてはならない。 しかし、切ってしまえば細根と分断され水分等を吸収するすべを失うので枯れてしまう。移植が難しいと言われている木(チンチョウゲなど)以外であれば、太い根の何本かを切る (或いは、根の皮を環状剥皮する)ことにより1年後には新しい根がその周辺から出てくる。この作業を根回しという。 全部で9本(内ミカン2本)移植したが、一部は諦めた方が良いかと思っていたが、全て新芽が出てきた。取りあえす第一段階は通過したようだ。 そして初夏になり、なんとかもっているようだ。今年は雨が多いので助かったのかも。(下写真) |
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