自己紹介
樋貝憲治 Kenji Higai
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チャキチャキ鋏をならしつつ松の枝を、チョイと散髪しては、離れてためつ、すがめつ眺める、
やがて、腰から煙草入れを取り出して先づ一服、煙は爺の鼻の穴から虚空遙かに舞い上がり、
椎の古木に棚引く場所は浮世離れた郊外の寮、一日に松の木一本、かり兼ねても、彼等にはゆるされる
サボタージ、彼等は天晴れ芸術家である、植木屋が煙草嫌いだったら、落語家が白湯嫌い扇子嫌いの如く、
合いの手なしの、のべつ幕なしでは腕が却って鈍く見える、割り得な商売の所有者、植木屋は
モッタイ振らなきゃ----エラそうに見えない、サボタージ免許の商売である。(池部鈞)
"職業づくし”(昭和三年発行)より
そして今・・・
バツバツ枝をぬきもって、松の木を降りて来たかと思えば、またすぐに二本目の松にのぼり、
チョイと先程の松を眺めたあと、再び枝を抜き始める、やがて、腰から煙草・・・ではなくノコギリを取り出し、
大枝を切り落とす、大風になびく松の木の上は、まさに浮世そのもの、一日に松の木一本、かり兼ねようものなら、
次にこの松に上ることすら出来なくなる、彼等の立つ場所、それは競技場である、競うもの・・・それは早くて
安くて、それでいて綺麗に、という無理難題である、彼等に許されているハズのサボタージよ何処へ行った・・・(爆)!
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新年は松にはじまり・・・ |
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