自己紹介

樋貝憲治 Kenji Higai
略歴
1968年  山梨県甲府市生まれ
1992年  明治大学工学部卒業
1994年〜 千葉県で植木生産業社にて勤務
1998年〜 京都で個人の植木屋にて師事
2002年〜 庭の美咲設立

 チャキチャキ鋏をならしつつ松の枝を、チョイと散髪しては、離れてためつ、すがめつ眺める、 やがて、腰から煙草入れを取り出して先づ一服、煙は爺の鼻の穴から虚空遙かに舞い上がり、 椎の古木に棚引く場所は浮世離れた郊外の寮、一日に松の木一本、かり兼ねても、彼等にはゆるされる サボタージ、彼等は天晴れ芸術家である、植木屋が煙草嫌いだったら、落語家が白湯嫌い扇子嫌いの如く、 合いの手なしの、のべつ幕なしでは腕が却って鈍く見える、割り得な商売の所有者、植木屋は モッタイ振らなきゃ----エラそうに見えない、サボタージ免許の商売である。(池部鈞)
"職業づくし”(昭和三年発行)より

そして今・・・

バツバツ枝をぬきもって、松の木を降りて来たかと思えば、またすぐに二本目の松にのぼり、 チョイと先程の松を眺めたあと、再び枝を抜き始める、やがて、腰から煙草・・・ではなくノコギリを取り出し、 大枝を切り落とす、大風になびく松の木の上は、まさに浮世そのもの、一日に松の木一本、かり兼ねようものなら、 次にこの松に上ることすら出来なくなる、彼等の立つ場所、それは競技場である、競うもの・・・それは早くて 安くて、それでいて綺麗に、という無理難題である、彼等に許されているハズのサボタージよ何処へ行った・・・(爆)!

『人事院月報』(2005年1月号)に掲載された随想です。

新年は松にはじまり・・・

Report

門松を作ろう(2003年12月)

続・門松を作ろう(2004年12月)